肌のお悩み

乾燥肌なのにニキビができる原因を解説!スキンケア方法も紹介

ニキビと聞くとオイリー肌の人を想像しがちですが、乾燥肌でもニキビができます。オイリー肌と乾燥肌では、ニキビを治す方法がまったく異なります。乾燥肌に対する正しい対処法を知らなければ、一生ニキビ肌のままかもしれません。

ここでは、乾燥肌にもかかわらずニキビができる原因をまず解説。また、乾燥肌のニキビに対するスキンケアの方法を紹介します。最後に、病院で受けられるニキビの治療について見ていきましょう。

乾燥肌なのにニキビができるメカニズム

乾燥肌にできるのは「大人ニキビ」です。顔の肌が部分的に乾燥することが、大人ニキビの原因となっています。乾燥によって肌が硬くなると、毛穴の柔軟性も失われ、皮脂が詰まってニキビの原因となるのです。

乾燥肌にできるのは「大人ニキビ」

乾燥肌とニキビの関係は、「大人ニキビ」について知ることでわかります。皮脂の過剰分泌によってできる「思春期ニキビ」に対し、「大人ニキビ」は肌の乾燥が原因で引き起こされるのです。最近までは、肌が乾燥しすぎてしまい、逆に皮脂の分泌が過剰になることが大人ニキビの原因だと考えられていました。しかし、近年の研究により、さらに詳しい原因がわかってきたのです。

大人ニキビの原因は顔の部分乾燥

大人ニキビの根本的な原因は、顔の部分乾燥です。これは、フイルムメーカーとして有名な「富士フイルム社」が、画像の解析技術を駆使した研究により、2013年に解明しました。この研究では、大人ニキビがUゾーンに好発する点に着目しています。Uゾーンとは、もともと皮脂腺が少ない頬から顎にかけてです。

富士フィルム社は、大人ニキビの多い人と少ない人で、多方面から顔面のコンディションを比較する実験を行いました。その結果、大人ニキビが多い人は、ニキビ周辺の皮膚に水分が少ないことが判明したのです。一方ニキビが少ない人は、顔全体の水分量が一定であることもわかりました。つまり、顔が部分的に乾燥していると、その周りにニキビができやすくなってしまうのです。

肌が乾燥すると皮脂が毛穴に詰まって大人ニキビに!

乾燥肌のニキビは、毛穴の柔軟性が失われ、皮脂が詰まることで発生します。

健康な肌は、角質層に適度な水分が保たれ、正常な新陳代謝を繰り返している状態です。しかし、肌が乾燥している状態では新陳代謝が低下しており、古い角質層が溜まってしまいます。乾燥した角質層が重なると、皮膚が厚く硬くなってしまうため、毛穴の柔軟性も失われます。つまり、肌が乾燥することで、毛穴が開きにくい状態になってしまうのです。

毛穴が硬くなって閉じていると、皮脂が分泌されても外に出られません。そのため、毛穴の中に皮脂が溜まり、角栓ができるのです。この角栓がニキビのもととなり、乾燥肌にニキビを作ってしまいます。

乾燥肌にニキビができたときのスキンケア4つ紹介

ニキビを予防するためには、肌の皮脂を取りすぎない優しい洗顔、正しい保水と保湿の方法を心がけることが大切です。ここでは、乾燥肌にあったスキンケア方法を4つ紹介します。

1.洗顔・クレンジングの際は皮脂を取りすぎない

メイクをしっかり落とすため、クレンジングはきちんと行いましょう。洗顔では、過剰に皮脂を取りすぎないよう、泡で顔を包むように優しく洗うのがコツです。

クレンジングのコツ

メイクが落ち切っておらず、毛穴に詰まったままになっていると、皮脂と混ざって酸化し、ニキビが悪化してしまいます。特に、シートタイプのクレンジングはメイクが残りやすいので、なるべく避けましょう。

油性のメイクを落とす場合は、オイルクレンジングが必要です。しかし、洗浄力が強いため、乾燥肌が悪化する恐れがあります。肌への刺激がより少ないクレンジングは、クリームタイプやミルクタイプです。ばっちりメイクの日はオイルタイプ、普段はミルクタイプなど、クレンジングを使い分けるとよいでしょう

洗顔のコツ

メイクを落としたあとに行う洗顔で、気をつけたいポイントは以下です。

  • 皮脂を取りすぎないこと
  • 無理なスクラブ洗顔やブラシ洗顔で肌を傷つけないこと

洗顔の際は顔をこすらず、泡で顔を包むようにして洗いましょう。石鹸や液状の洗顔料は、ネットなどを使用してよく泡立ててください。泡立てる作業が面倒なら、泡状のフォーム洗顔料がおすすめです。

2. 化粧水はたっぷりと数回に分けて使用する

乾燥肌にできる大人ニキビの対策には、化粧水による肌への水分補給が大切です。

洗顔後、時間を置かずにすぐ補水しましょう。清潔な手のひらに500円玉大の化粧水をとり、乾燥しやすい部分を中心に丁寧になじませてください。ゆっくりと全体になじませたら、ハンドプレスしてしっかりと肌に浸透させます。こうすると、コットンを使うよりも摩擦による刺激が少なく、余計な化粧水も必要ありません。これを2回から3回ほど繰り返しましょう。

先に蒸しタオルやスチーマーで毛穴を十分に開かせ、肌を柔らかくしてから化粧水をつけるとさらに効果的です。

3. 補水後はすぐに乳液・クリームで保湿する!

肌の水分を逃さないために、補水のあとはすぐに保湿することがポイントです。

化粧水でたっぷり水分を補給しても、フタをしなければどんどん蒸発してしまいます。水分の蒸発を防ぐために、乳液やクリームを用いて肌に被膜を作って保湿しましょう。10円玉大を手にとって少し温め、乾燥しやすい部分から丁寧に伸ばしてください。

クリームと乳液のどちらを使うかは、好みや肌の状態によります。「夏は乳液、冬はクリーム」「朝は乳液、夜はクリーム」という風に、季節や時間帯によって使い分けるとよいでしょう。毎回両方を使う必要はありません。

4.ノンコメドジェニック化粧品を使おう

「ノンコメドジェニック化粧品」とは、ニキビが発生しにくい成分が使用されているメイクアップ用品です。ニキビを治す効果はありませんが、ニキビを予防する効果が期待できます。

なかでも「ノンコメドジェニックテスト済み」の表示がある商品は、実験によって毛穴に詰まりにくいことが証明されています。乾燥肌でニキビが気になる場合は、ノンコメドジェニック化粧品のなかから、刺激の少ない商品を選ぶとよいでしょう。

乾燥肌のニキビは病院で治療できる

ニキビ治療は皮膚科で受けられ、保険も適用されます。大人ニキビで悩んでいる人は、皮膚科を受診してみましょう。

ニキビは「尋常性痤瘡」という病名で、保険治療も認められている病気です。近年、ニキビ治療が格段に進歩し、日本皮膚科学会から治療のガイドラインも出ています。病院なら治療法に医学的な根拠があり、費用も3割の負担で済みます。ニキビ治療のために民間療法や高価なエステを試すよりも、皮膚科を受診する方がおすすめです。

まとめ

乾燥肌にできるのは「大人ニキビ」です。乾燥で肌が硬くなり、毛穴が詰まることでニキビができてしまいます。

乾燥肌の場合、ニキビができているからと言って、過剰に皮脂を取りすぎてはいけません。クレンジングや洗顔の際、肌に刺激を与えないよう気を付けましょう。きちんと肌の汚れを落としたら、化粧水と乳液などを使ってすぐに保湿してください。乾燥肌が悪化するとニキビも治らないので、スキンケアはとても重要です。

あまりにもニキビが治らない場合は、皮膚科へ行きましょう。ニキビの治療は、保険適用の範囲で受けられます。