ヒルドイドの有効成分は「ヘパリン類似物質」です。この成分が薬としての作用を持っています。ヘパリン類似物質には、保湿や血行促進、抗炎症の作用などがあります。
このページでは、ヒルドイドの成分について説明しています。まずは有効成分のヘパリン類似物質について解説。また、ヒルドイドの剤形ごとに含まれる添加物も紹介します。
ヒルドイドの有効成分と作用
ヒルドイドの有効成分は「ヘパリン類似物質」です。この成分は、体内にあるヘパリンと似た働きを持ちます。ヘパリン類似物質には、保湿や血行促進、抗炎症などの作用があります。
ヘパリン類似物質とは?
ヒルドイドには、ヘパリン類似物質(洋名:Heparinoid)と呼ばれる有効成分が含有されています。
ヘパリン類似物質とは、名前からもわかるように、体内にあるヘパリンと似た物質です。もともと、ヘパリンは血栓症などの治療のため、血液の凝固を止める成分として研究されていました。
しかし、血が止まりにくくなる作用が強いため、出血性の副作用が多発するという問題があったのです。そこで、より安全性が高い成分の研究・開発が進められていき、ヘパリン類似物質が生まれました。
ヘパリン類似物質の作用は主に3つ
ヒルドイドに含まれるヘパリン類似物質は、主に以下の3つの作用を持ちます。
- 保湿
- 血行促進
- 抗炎症
この3つの作用について、詳しく説明していきます。
保湿作用
ヘパリン類似物質は、水と結合しやすい性質を持っています。そのため、肌に浸透すると、周りの水分を抱え込むように働くのです。そして、抱え込んだ水分を角質層に与えてくれます。この働きにより、肌の水分量が長い時間にわたって保たれます。その結果、持続性のある保湿の効果が得られるのです。
血行促進作用
ヘパリンと同じく、ヘパリン類似物質にも血液の凝固を止める性質があります。この性質により、血液が固まって血栓になるのを防いでくれます。さらに、できてしまった血腫が消退するよう促してくれます。このため、血行が促進され、血流の量も増えます。
抗炎症作用
ヘパリン類似物質には、炎症が起こったときに生まれる物質を抑制する性質もあります。炎症を悪化させる物質の分泌を抑えることで、抗炎症作用が発揮されると考えられています。この作用から、ヒルドイドゲルは、抗炎症剤として処方されています。
ヒルドイドクリームやソフト軟膏は、抗炎症剤としては使われていません。
ヒルドイドの剤形ごとの成分
ヒルドイドには5種類の剤形があります。有効成分はすべて同じですが、剤形ごとに添加物が異なります。
それぞれに配合されている添加物は以下です。
剤形 | 添加物 |
ヒルドイドクリーム |
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ヒルドイドソフト軟膏 |
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ヒルドイドローション |
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ヒルドイドフォーム |
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ヒルドイドゲル |
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有効成分が同じでも、剤形ごとに添加物が異なるため、使い心地が違います。また、ヒルドイドゲルの場合は効能も異なります。
添加物は、有効成分の作用には影響を及ぼしません。しかし、添加物が原因でアレルギーが出る場合などもあるため、把握しておいた方がよいでしょう。
まとめ
ヒルドイドには、ヘパリン類似物質という成分が含まれています。このヘパリン類似物質が、薬としての作用をもたらします。ヘパリン類似物質には、保湿・血行促進・抗炎症の作用があります。
また、ヒルドイドには、有効成分のほかにも添加物が含まれています。ヒルドイドのシリーズは有効成分がすべて同じで、配合量も同じです。添加物の違いで、クリームやローションといった剤形の違いが出ます。添加物は、有効成分の作用には影響を及ぼしません。