ヒルドイド

ヒルドイドは傷跡に効く!傷口には塗っちゃダメ

ヒルドイドには、傷跡をもとの綺麗な肌に戻す効果があります。肥厚性瘢痕やケロイドの治療薬としても、ヒルドイドは活用されています。

このページでは、ヒルドイドの傷跡への効果について詳しく紹介します。あわせて、傷にヒルドイドを塗ってはいけない理由なども見ていきましょう。

ヒルドイドには傷跡を消す効果がある

ヒルドイドには、傷跡を綺麗に治す効果があります

傷跡が形成される際に細胞の過剰な増殖を抑え、元の肌に近い状態に戻してくれるのです。

こうした効果があるから、ヒルドイドは肥厚性瘢痕やケロイドの治療薬としても使われているよ!

傷跡ができる原因とヒルドイドの作用

作用のイメージ画像

ヒルドイドは、傷跡の盛り上がりをおさえ、皮膚が綺麗に再生されるよう働きかける効果を持ちます

ケガをしたとき、体内では傷を治すための機能が働きます。まずは血が固まって止血され、その後、炎症が起こります。

炎症が治まると、傷ついた部分を補うために、線維が形成されます。この過程では、「線維芽細胞」という組織をつなぐ役割の細胞が、コラーゲンを生成して傷を治していきます。

とはいえ、皮膚の下では大急ぎで傷を治しているため、最初から完璧に元の肌のように戻せるわけではありません。なんらかの原因で傷の炎症が長引くことで、コラーゲンが過剰に生成され、皮膚に盛り上がりができます

これに対し、ヒルドイドの有効成分「ヘパリン類似物質」には、線維芽細胞の過剰な生成を抑える作用があります。

ヒルドイドにはこういう効果があるから、傷跡に塗るとキレイに治りやすいんだよ!

ヒルドイドは肥厚性瘢痕・ケロイドの治療薬

塗り薬のイメージ画像

ヒルドイドは、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドの治療薬です。

肥厚性瘢痕とは、傷が塞がっても、その上の皮膚が赤く盛りあがってしまった状態です。通常、肥厚性瘢痕は元の傷の範囲を越えません。

対して、ケロイドは、赤みや盛り上がりが傷の周辺にも及ぶという特徴を持っています。肥厚性瘢痕とケロイドは、ピアスや帝王切開など、さまざまな傷が原因となって起こります。

このように、深い傷によってできてしまった肥厚性瘢痕・ケロイドの治療にヒルドイドは用いられます。

しかし、症状がひどい場合は、ヒルドイドだけで治療するのは困難です。その際は、ステロイド注射レ―ザー治療が併せて用いられます。

ヒルドイドは傷口に塗ってはダメ

ヒルドイドは、傷口に塗ってはいけません。傷口に塗ると悪化する危険性があるため、注意が必要です。

乾燥が原因で発生するひび割れやカサつきには、血が出ていない状態で塗れば効果を示します

傷の表面が塞がった状態で塗る

絆創膏のイメージ画像

ヒルドイドは、傷の表面が塞がった状態で塗りましょう

ヒルドイドの役目はあくまで傷跡の回復です。塞がりきっていない傷口に塗ると、治癒を遅らせてしまいます。なぜなら、ヒルドイドは血液を固まりにくくしたり、血行を促進したりする作用を持つからです。

これらの作用は、傷口からの出血を助長してしまう危険性があります。出血性血液疾患のある人、わずかな出血で身体に悪影響が出ると思われる人は、特に注意が必要です。

ひび割れやあかぎれに塗る場合

ヒルドイドは、ひび割れに効果があります

しかし、出血しているあかぎれには塗らないでください。

症状が悪化することもあるから、ヒルドイドを使うタイミングに注意してね!

ヒルドイドはひび割れに効果的

ヒルドイドには保湿の作用があるため、ひび割れに効果があります

乾燥した肌はバリア機能が低下しており、角質が剥がれやすくなっています。外部からの刺激に弱い状態なので、すぐに皮膚に亀裂が入り、ひび割れてしまうのです。

ヒルドイドは角質に水分を与え、持続的な保湿効果をもたらします。このため、肌の水分を取り戻してバリア機能を回復させ、ひび割れを改善できます

出血したあかぎれに塗ってはならない

あかぎれがひどく血が出ている場合、ヒルドイドだけでは対処できません。

あかぎれが悪化すると、亀裂が皮下組織まで及び、血管が傷ついて出血します。ヒルドイドは、出血した傷口に塗ると悪化させる恐れがあるので、この場合は塗らないでください。

あかぎれを保湿する場合は、出血がおさまって皮膚の膜ができてからにしよう!

まとめ

ヒルドイドには、傷跡を綺麗に治す効果があります。線維芽細胞の過剰な生成をおさえ、皮膚の盛り上がりを防止します。

肥厚性瘢痕・ケロイドの治療にも用いられているので、傷跡を治す効果は信頼できます

ヒルドイドは傷跡の治療に効果的ですが、傷口には塗らないようにしてください。ヒルドイドには血液を固まりにくくする作用があるため、開いた傷口に塗ると、出血が増えてしまいます

傷が悪化する危険性があるので、ヒルドイドを塗るのは皮膚が修復されてからにしましょう。

ひび割れには効果がありますが、出血しているあかぎれには使わないでください